「思い出のとしまえん」とテーマパーク

練馬区の石神井公園の脇にある「石神井ふるさと文化館」に出かけ、話題の企画展示「思い出のとしまえん(9月11日~11月7日)」を観覧した。9月15日が開園記念日にあたる日だったため、としまえんのクリアファイルも頂いた。

としまえんは2020年8月をもって、惜しまれつつ閉園。閉園1年経った今も熱烈なファンが多い遊園地だ。とくにプールや、ウォータースライダーのハイドロポリスは東京を代表する夏の観光地であったことはいうまでもない。

会場にはとしまえんのCMやポスター広告が数多く展示されていたが、クスって笑ってしまうような作品ばかり。有名な「史上最低の遊園地」というエイプリルフール広告は当時の広告代理店がアイデアを出し、数度跳ね返されて、数年がかりで採用されたらしい。

園内の乗り物の映像を見ると、としまえんには絶叫系マシンは少ないがそれなりに乗りごたえある乗り物が多かったし、緑豊かな遊園地だったな、と思い出す。園内には石神井川が流れていて、春には川沿いに桜が咲き、また豊島園駅の周囲は閑静な住宅街でもある。

さて、としまえんがソウルのどこに例えられるかは拙著『ソウル25区=東京23区』をご覧いただくとしよう。韓国では大きなテーマパークは除くと、大きな公園のなかに小さな遊園地が設けられていることがある。

わかりやすく言えば、石神井公園や井の頭公園の脇にちょっとしたスペースを設け、小さいメリーゴーランドや遊具を置くような感覚だ。その遊具をとしまえんで例えるならば、イーグルやフライングパイレーツではなく、スカイトレインやロッキンタグのような小さなものだ。

こうした遊具がある公園は「遊び公園(”놀이공원”または”놀이동산”)」と呼ばれている。普段から動いているところもあれば、すでに廃墟と化して放置されているところもある。子どものちょっとした遊び場くらいに位置付けられている。

ともかく韓国を訪れたら人々の暮らしの場である公園にも目を向けてみると、何か発見があるかもしれない。